確か高校生の時に1、2巻だけ親に買ってもらって読んだけど
あの頃が高1、2くらいとして16,7年前か
数年に一度くらい思い出して
結末はなんだったのか
一体あれは何の話だったのかと思っていた
2022.5.8メルカリで全巻まとめて買って読了した
「面白い漫画」ではなかったと思う。後述もするが、自分の不安定な精神面を想起させるような内容で、嫌悪感を感じる。
この作品を一言でいうなら
オタクを切り口にした、精神的に病んだキ〇ガイ達の群像劇
といえるだろうか
2004年ごろ、高校生だった当時は、1、2巻だけを読んで「引きこもり・脱法ドラッグ・オタク文化を題材にしたドタバタした感じの群像劇」「NHKをもじった娯楽作品」くらいに思っていたと思う。
読了してみると、中盤以降各登場人物の精神的な不安定さなどのシリアスな場面が多かった。「ドタバタした雰囲気でごまかしている社会派な漫画」「00年代の若者たちの悲喜劇」とでもいえばよいのだろうか。
読了して、どことなく心に引っかかっていた
この漫画が一体自分にとって何だったのか自分に問うてみる
なぜ自分がこの作品に固執しこの度読了したのか
一番強い理由は、「あの苦しい時代」に中途半端に読んだ漫画として
「あの苦しい時代」を切り口に記憶に残っていたからだろう
また、ジャンプなどの一般的な娯楽漫画ではなく
その作品が何を意味するのか、どういうジャンルなのか
高校生のころは理解できていなかったことによる違和感が記憶されていたのだと思う
当時は気が付いていなかったが、
この作品で描かれている
精神的に病んだキ〇ガイ、というのは私にも当てはまる
広く見れば15のころから30のころまで、一般的な社会性と自分の認識がずれている状態で、そのことに気が付かず、違和感のある生活を送っていた
群像劇ということもあってか
この漫画の全体像はさらっと読んだだけではよくわからないため
キャラごとに雑感を記そうと思う
まああくまで空想の人物なので
ガチの実在する人みたいな考察しても
所詮漫画なのだが
主人公
そこそこ勉強ができる頭は一応持っているが、怠惰な性格が災いして自身の快楽におぼれ堕落していた
ニートの状態で親の仕送りに依存して引きこもり、非社会的な状態で20代前半をすごした
自身の不安定な状態・現実逃避の癖・ギャンブル依存などの退廃的な状況においてゲーム製作などの目標をかかげて満足し、生産性のない日々を送ることを作品後半では「アレ」と呼ぶようになった。そして、「アレ」という環境・状況にその場しのぎの安寧を感じ、依存しているように見えた。最終的には、岬という精神的に不安定な少女との相互作用・本音のさらけ出し・本音の部分的な認め合いに成功。それによりわずかに一般的・社会的な生活に戻り、自身の社会性の再構築の可能性がわずかにみられるラストだった
岬
「演技性人格障害」とスクールカウンセラーに分析されていた
幼少期、宗教漬けの母親とそれを嫌悪する父親という家庭環境により
ありのままの自分で過ごすことに違和感を感じ、他人に必要とされることに固執するようになったようだった。また、他人に心を開かず自分が上位でないと気が済まないとう気質のようだった。具体的な行動としては、その場その場の環境に必要と自分が考える人間性(道化、メンター、孤立するもの)などを演じるようになった。偽りの自分を見せ続けることで本当の自分をさらけ出すことに感じる恐怖・違和感から逃避しているようだった。最終的には、主人公のアパート取り壊しの場面にて、主人公と本音のさらけ出し・本音の認め合いによりわずかながら一般的な社会性の改善の兆しがみられた。ラストシーンでは高校を卒業した様子の写真が描かれていた。
山崎
北海道から東京に出てきて、10代のころに抑圧された二次元が好きという感情を解き放ちオタクの道にまい進した。主人公と出会う前に、すでに自身の社会的異常性を認識していたようで、自分と一般的な社会性との差を認識し無気力になっていた。偶然となりに越してきた主人公と、社会的に低くみられるオタクという自分の立場を共有した。精神面の問題が主題の主人公・岬の二人とは違い、騙されたわけではあるが専門学校の女性に肉体関係を迫られたり、ホストの仕事をしたりと、精神的ではなく現実的な社会性につながるような場面が散見されるキャラクターだった。最終的には北海道に帰った。実家を継いだかどうかはよく分からないが最終場面で主人公のゲーム制作に協力しているメールが描かれていた。
先輩
精神的に不安定な元公務員の女性。公務員の業務が性に合わないと感じ、同時に新婚の環境になじめず精神的に疲弊していた。オーバードーズする・新婚の夫にナイフを投げつける・主人公に肉体関係をせまるなど情緒不安定な面が見られた。主人公に不倫・肉体関係を複数回せまるが、最終的に主人公が真人間な一面を提示して関係は持たずじまいだった。この漫画での一連の騒動を通して、物語の終盤で、愛していない側面もあるという冷静な感情を夫と共有することができた。自分の結婚含む環境に一定の前向きな見識を見出すことができ、最終的には夫婦関係・本人の情緒も安定したようだった。ラストシーンでは笑顔の夫婦の2ショットが描かれていた。
先輩の夫
スクールカウンセラー。先輩が新婚生活や職場でのストレスなどを原因にオーバードーズなど精神的に不安定な状態となった。最終的には本音を言いあったりして夫婦関係は落ち着いた模様。
主人公の同級生の女性
かつてはおおよそまともな社会生活を送ってはいたが、社会や自身の経済力との向き合い方に関して躓いてしまい悪徳商法のセールスをやっていた。重度の引きこもりの兄がおりその面倒を真摯に見ようとしていた。この漫画の一連の騒動により兄と岬が面識を持ち、岬によって兄の引きこもりが改善された。最終的にはまともになった兄とぼちぼち生活している模様が主人公のモノローグで語られた。
主人公の同級生の女性の兄
悪徳商法のセールスをしていた女性の兄。重度の引きこもりであったが、実は大量の読書をこなす・司法試験を目指していたなどの知的な面があった。一連の騒動により偶然岬と面識を持ち、岬の働きかけで引きこもりを脱した。塾の講師をするようになり岬に本心で告白した。しかし、岬の精神状態が未だ改善されていなかったこともあり罵詈雑言を浴びせられた。そののち、冷静になった岬に謝罪された。最終的には妹とぼちぼち生活している模様が主人公のモノローグで語られた。